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介護のヒント

認知症のある方といっしょにゲームを楽しむコツ

更新日 約11分で読めますGolden Moments チーム · 記事の書き方

かんたんな答え

ゲームはテストではなく、いっしょに過ごす時間として考えましょう。落ち着いた時間帯を選び、静かな部屋で隣に並んで座り、シンプルなゲームをひとつだけ勧めます。ペースはご本人に任せ、害のない間違いは決して正さず、少しでも負担のサインが見えたらゲームをやさしくし、絵を会話のきっかけにしましょう。まだ心地よいうちにやめましょう。早めに終えることも、ただいっしょに眺めていることも、良い終わり方です。

  • 目指すのは楽しむこととつながることで、最後までやることや正しく答えることではありません。
  • 先に準備を。静かな部屋、明るい照明、眼鏡と補聴器、テレビは消して、ゲームはひとつだけ用意しておきます。
  • 害のない間違いは正さないでください。「こうしてみましょうか」と言うか、そのまま続けましょう。
  • いら立ちが募る前にゲームをやさしくしましょう。絵を減らす、選択肢を減らす、絵は見えたままにする。
  • 「覚えていますか?」ではなく「〜のこと、聞かせてください」と、絵を思い出話のきっかけにしましょう。
  • 疲れや動揺のサインが見え始めたら、やめましょう。早めにやめるのは成功であって、失敗ではありません。
このページの内容(10項目)
  1. 認知症のある方とゲームをするいちばん良い方法は?
  2. 始める前に、どんな準備をすれば良いですか?
  3. プレッシャーをかけずに誘うには?
  4. ゲームの長さはどのくらいで、どんなペースで進めれば良いですか?
  5. 間違いは正したほうが良いですか?
  6. ゲームをやさしくしたり、難しくしたりするには?
  7. ゲームを会話につなげるには?
  8. やめどきは?
  9. グループやビデオ通話でも遊べますか?
  10. どうしてもゲームがうまくいかないときは?

認知症のある方との良いゲームは、勝負のようには見えません。二人が寄り添って座り、絵を指さし、ことわざに笑い、思いついたことをあれこれ話している。そんなふうに見えます。ゲームは、いっしょに過ごすためのきっかけにすぎません。

このガイドでは、準備の仕方、ゲームのペースの合わせ方、何かが「うまくいかない」ときにかける言葉、どんなゲームでもやさしくしたり少し難しくしたりする方法、会話につなげる方法、そしてやめどきの見極め方を紹介します。このサイトのゲームにも、お手持ちのトランプ、パズル、ボードゲームにも使えます。

認知症のある方とゲームをするいちばん良い方法は?

何かを達成することではなく、楽しむことに目を向けましょう。これがレクリエーションについての米国アルツハイマー病協会のガイダンスの中心となるアドバイスです。ご本人が今も持っている技能を生かし、始めるのを手伝い、難しいところはあなたが仕上げ、害のないことを批判したり正したりしないこと。

実際には、次のようなことです。

  • 向かい合わずに、隣に座る。 隣に並べば、二人とも画面やテーブルが見え、手助けも見張りではなくチームワークのように感じられます。
  • 一度に勧めるゲームはひとつだけ。 選択肢がずらりと並ぶと、始まる前からテストのように感じられることがあります。
  • ご本人に合わせる。 自分の好きな順番で絵をタップしたい、一枚の絵について十分間話したい、二回やったらやめたい。それが今日のゲームです。
  • 終わった回数ではなく、良いひとときを数える。 笑顔、思い出話、落ち着いた三十分。それこそが目指す結果です。

始める前に、どんな準備をすれば良いですか?

数分の準備で、ゲームそのもののせいにされがちないら立ちのほとんどを防げます。

  1. 調子のいちばん良い時間帯を選ぶ。 レクリエーションの工夫についての米国国立老化研究所(NIA)のガイダンスは、お出かけやレクリエーションは、ご本人の調子がいちばん良い時間帯に計画するよう勧めています。多くの方にとっては午前中の半ばです。夕方は難しくなることが多いので、夕方に落ち着いて過ごすためのレクリエーションもご覧ください。
  2. 部屋を静かにする。 テレビやラジオを消し、できればドアを閉めましょう。米国家族介護者連盟(Family Caregiver Alliance)は、話しかける前に騒音や気が散るものを減らすよう勧めています。
  3. まず快適さを確かめる。 手の届くところに飲み物、始める前にトイレ、座り心地の良い椅子、そして眼鏡と補聴器。
  4. 部屋を明るくする。 画面に照り返しのない、明るくむらのない光だと、絵が見やすくなります。
  5. 座る前にゲームの準備をしておく。 ゲームを開き、設定を選び、音量を合わせるのはあなたが。それから画面をご本人のほうへ向けましょう。タブレットのコツは、タブレットやスマートフォンの設定をご覧ください。
  6. 機器を立てておく。 タブレットを立てておけるスタンドやケースがあれば、誰も持たなくてすみ、指さしもしやすくなります。

プレッシャーをかけずに誘うには?

気軽に、断りやすい形で誘いましょう。受け入れられやすい言い方の例です。

  • 「庭の絵を見つけたんです。いっしょに見ませんか?」
  • 「このパズル、手伝ってもらえますか?行き詰まってしまって。」
  • 「今日はお花と鳥、どちらにしましょうか?」(自由に答える質問より、二択のほうが答えやすくなります)
  • 「妹さんにカードをつくっているんです。ここは何色が良いでしょう?」

米国アルツハイマー病協会は、友人へのカードづくりのように、レクリエーションの目的を伝えることを勧めています。理由があると、意味が生まれるからです。手伝いをお願いするのも、ご本人が役に立っていると感じられるので、うまくいきます。

断られたら、受け入れましょう。時間をおいてもう一度誘うか、別のものを勧めます。断られたときにどうするかのガイドで、さらに詳しく紹介しています。

ゲームの長さはどのくらいで、どんなペースで進めれば良いですか?

ペースはご本人に任せ、短い時間を想定しておきましょう。いっしょに遊ぶゲームの理想的な長さについて、根拠に基づく答えはありません。落ち着いた二〜五分でも、立派なひとつのレクリエーションです。

  • 自然に感じるより長く待つ。 NIAは、返事をするための時間を多めにとり、さえぎらないようにすることを勧めています。手伝う前に、心の中で十まで数えましょう。
  • 一度にひとつの手順。 「絵をタップしてください」のように、短い指示をひとつだけ伝えて待ちます。説明するよりやって見せましょう。タップする場所を指さします。
  • 自由にひと休みする。 ご本人が絵について話し始めたら、ゲームは待たせておけます。急ぐ必要はありません。
  • 見てもらうのも良い。 NIAは、見ているほうが好きな方もいると述べています。それもちゃんとした選択です。

間違いは正したほうが良いですか?

いいえ。善意からでも、何度もやさしく訂正されると、ご本人は自分ができていないのだと受け取ってしまいます。米国アルツハイマー病協会は、害のないことを批判したり正したりしないよう勧めています。ゲームの中では、ほとんどすべての間違いが害のないものです。

代わりに 試してみたい言い方
「違いますよ、それは間違いです。」 「こうしてみましょうか。」(NIAが挙げている例)
「それは同じ絵じゃないですよ。もう一度よく見て。」 何も言わずに次の番に進む、または「あら、どちらも赤ですね。」
「これが誰か覚えていますか?」 「この絵のこと、聞かせてください。」
「それはもうやりましたよ。」 「いいですね。もう一回やりましょう。」
「ほら、知っているでしょう。」 「答えを出してみましょうか?」

間違いにはっきりいら立っているようなら、そっと手伝いましょう。正しい絵を指さす、あなたが番をする、次の回はゲームをやさしくするなど。ことわざの続きにおもしろい答えが出てきたら、いっしょに笑いましょう。ご本人の答えのほうがすてきかもしれません。

ゲームをやさしくしたり、難しくしたりするには?

段階の呼び名ではなく、その日のご本人に合わせてゲームを調整しましょう。同じ方でも、朝より夕方のほうがシンプルなものが合うことがあります。NIAの最初のヒントは、ご本人ができることにレクリエーションを合わせ、うまくいったと感じられるようにすることです。

ゲーム やさしくするには 少し難しくするには
絵合わせ カード4枚から始め、絵は見えたままに カードを増やす。抵抗がなければ絵を伏せる
同じ絵さがし 選択肢2つ 選択肢を最大4つまで
いっしょに仕分け 絵はあなたが持ち、ご本人がかごを指さす 絵もかごもご本人がタップする
絵パズル 4ピースで。先に絵全体について話す 9ピース
ことわざの続き 答えを表示してから、いっしょに言う タップする前に、ご本人に続きを言ってもらう
大きな文字の言葉さがし 印刷して、言葉をひとつだけいっしょにさがし、最初の文字を指さす 次にさがす言葉をご本人に選んでもらう
ぬりえ あなたが二色を選び、ご本人がどちらかを選ぶ 色はすべてご本人が選ぶ
会話カード いっしょに絵を眺めるだけ カードにある答えが自由な問いかけを使う
写真合わせ 大好きな家族の写真を数枚だけ 写真を増やす
絵ビンゴ 参加する人それぞれに手伝う人がつく 自分のカードに自分で印をつける
ゆったり呼吸 いっしょに座って眺めるだけ いっしょにゆっくり呼吸する

難しすぎるサイン:考えているというより不安そうな長い間、何度も「できない」と言う、機器を押しやる、間違いに動揺する。やさしすぎるかもしれないサイン:退屈そうにする、子どもっぽいと言う。そんなときは、その気持ちを尊重し、言葉さがし、実際の写真を使ったパズル、ご本人がしていた仕事にまつわる絵についておしゃべりするなど、大人らしく感じられるものに切り替えましょう。

ゲームを会話につなげるには?

一枚一枚の絵を話すきっかけにして、ご本人が何を言っても、それを良い答えとして受け止めましょう。多くのご家族にとって、これがいっしょに遊ぶいちばん楽しい部分です。

  • 答えが自由で、間違いのない質問をする。 「何か気づいたことはありますか?」「どれが好きですか?」「こんな台所のこと、聞かせてください。」
  • 先にあなたが話す。 「祖母がこんな犬を飼っていたんです。」あなたの話があると、ご本人も話しやすくなります。
  • 脱線についていく。 車の絵からドライブ旅行の思い出話が始まったら、その思い出話こそがレクリエーションです。ゲームは止めたままにしておきましょう。
  • 事実を確かめない。 回想では、細かいことの正確さより、楽しい会話のほうが大切です。前回と話が変わっていたら、新しいバージョンを楽しみましょう。
  • 組み込まれている問いかけを使う。 ことわざの続きでは、ことわざのあとにおしゃべりの問いかけが続きます。会話カードは、まさにそのためにつくられています。写真合わせはご自分の家族の写真を使うので、いちばん豊かな思い出話が生まれることがよくあります。

ほかのアイデアは、回想を使ったレクリエーションと会話のコツのガイドにあります。

やめどきは?

疲れや動揺のサインが見え始めたら、できればその少し前にやめましょう。米国アルツハイマー病協会は、集中が途切れたり、いら立ちが募ったりしたら、やめるか別のことに変えるよう勧めています。

次のようなサインに気を配りましょう。

  • あくびをする、姿勢が崩れる、視線が画面から離れていく
  • そわそわする、立ち上がる、もう行きたいと言う
  • ため息をつく、返事が短くなる、「私はこういうのは苦手で」と言う
  • でたらめにタップする、機器を押しやる
  • 涙ぐむ、いらいらする、急に気分が変わる

上手な終わり方:

  • かんたんなことで終える。 最後にご本人がそろえられるペアをひとつ、または最後に眺める一枚の絵で。
  • あなたの都合にする。 「お茶が飲みたくなりました。ここまでにしましょうか?」と言えば、ご本人がうまくできなかったという印象を与えずにすみます。
  • 体を動かすことや、ほっとすることに移る。 短い散歩、おやつ、洗濯物たたみ、音楽など。
  • あたたかいひと言を。 「いっしょにできて楽しかったです。」「正解できた」ことをほめるのではなく、いっしょに過ごした時間を喜びましょう。

早めに終えること、予定を変えること、ゲームはやめていっしょに座っているだけにすること。どれも良い終わり方です。

グループやビデオ通話でも遊べますか?

はい。少しだけ準備を足せば遊べます。グループでは人数を少なめにし、手助けが必要な方の隣には手伝う人が座り、みんなで同じものに注目できるゲームを選びましょう。絵ビンゴには、グループ向けの印刷できるカードと画面上の読み上げ役があります。詳しくは介護施設でのグループレクリエーションをご覧ください。

ビデオ通話では、通話相手が絵を説明し、部屋にいる人が指さしたりタップしたりできます。通話は短く、なじみのある形にしましょう。電話やビデオ通話のガイドに、ほかのコツもあります。

どうしてもゲームがうまくいかないときは?

何をしてもうまくいかない日もあります。それはあなたのせいでも、ご本人のせいでもありません。ゲームを片づけて、別の時間帯に、別のゲームで、あるいはゲームなしで過ごしてみましょう。良いレクリエーションの多くは、画面とはまったく関係がありません。音楽、タオルたたみ、アルバムをめくること、短い散歩など。ほかのアイデアはレクリエーションのアイデアをご覧ください。

よくある質問

ゲームはどのくらいの時間遊べば良いですか?

決まった長さはありません。多くの方にとっては数分で十分で、一回だけで十分な日もあります。時計ではなくご本人の様子を見て、まだくつろいでいるうちにやめましょう。

わざと勝たせたり、間違いに気づかないふりをしたりしたほうが良いですか?

プレッシャーのない、いっしょに楽しむゲームには、勝ち負けはありません。ご本人が気にしていない間違いなら、そのままにしましょう。気にしているようなら、指摘せずにそっと手伝うか、ゲームをやさしくしましょう。

ご本人が、私が遊ぶのを見ているほうが良いと言ったら?

それで大丈夫です。米国国立老化研究所は、見ているほうが楽しそうなら、ただ見てもらうことを勧めています。見えたものについて話し、好きなときに指さしたり選んだりするよう誘いましょう。

これらのゲームは記憶を試すためのものですか?

いいえ。私たちのゲームは、楽しみと会話のための、いっしょに楽しむシンプルなレクリエーションです。記憶のテストではなく、何かを測るものでもなく、認知症の治療でもありません。

最初はどのゲームから始めるのが良いですか?

ご本人に合う、いちばんシンプルなものから始めましょう。カード四枚で絵を見えたままにした「絵合わせ」や、選択肢二つの「同じ絵さがし」は、やさしい最初の一歩です。タップするより話すほうが好きな方には、「会話カード」がよく合います。

出典

このページの根拠となる団体や研究へのリンクを掲載しています。いずれもページを更新した時点で確認しています。

  1. Activities · Alzheimer's Association
  2. Adapting Activities for People With Alzheimer's Disease · National Institute on Aging
  3. Communicating With Someone Who Has Alzheimer's Disease · National Institute on Aging
  4. Caregiver's Guide to Understanding Dementia Behaviors · Family Caregiver Alliance

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