かんたんな答え
アルツハイマー型認知症の方に合うレクリエーションは、いちばん長く残りやすいものを生かします。長年なじんだ技能、昔の歌、慣れた家事、そして五感です。初期には、トランプ、ボードゲーム、料理、お出かけがまだ楽しめることが多いでしょう。中期には、たたむ、仕分ける、歌う、アルバムを見る、かんたんな絵のゲームを試してみましょう。後期には、音楽、触れ合い、そばにいることがいちばん大切になります。今日のご本人の様子に合わせて選びましょう。
- アルツハイマー病は認知症のもっとも多い原因なので、認知症の方へのレクリエーションのアイデアはそのまま当てはまります。
- たいてい新しい情報から難しくなり、昔身につけた技能や歌は長く残ることが多いものです。それを生かしましょう。
- 段階は重なり合い、調子の良い日も難しい日もあるのが普通です。今日ご本人ができること、楽しめることで選びましょう。
- 時間制限、点数、問題を出すことのないゲームを選び、絵は見えたままにしましょう。
- 見ているだけ、何かを手に持っているだけ、いっしょに座っているだけでも、参加していることになります。
このページの内容(7項目)
大切な方がアルツハイマー型認知症なら、すぐに抜け落ちてしまうものもあれば、しっかり残っているものもあることに、もう気づいているかもしれません。今朝の電話のことは覚えていなくても、なじみの唱歌なら歌詞を最後まで歌えたり、いつものやり方でタオルをたたんだり、考えなくてもトランプを配れたりします。良いレクリエーションは、そうした長く残る技能の上に成り立っています。このページでは、その理由を説明したうえで、段階ごとのアイデアと、それぞれに合うこのサイトの無料ゲームを紹介します。
レクリエーションについて、アルツハイマー型認知症は認知症と違うのですか?
あまり違いはありません。認知症は総称で、アルツハイマー病はそのもっとも多い原因です。米国アルツハイマー病協会によると、認知症の60〜80%を占めています。認知症のレクリエーションについて書かれていることのほとんどは、アルツハイマー型認知症にも当てはまります。レクリエーションのアイデア101もそのひとつです。
知っておくと役に立つのは、変化がふつうどのような順番で起こるかです。米国国立老化研究所(NIA)は、アルツハイマー病はまず記憶に関わる脳の部分を傷つけ、その後、言葉、判断、社会的なふるまいに影響する、と説明しています。米国アルツハイマー病協会は、もっともよく見られる初期の症状は、新しく覚えたことを思い出しにくくなることだとしています。人によって違いがあり、複数の原因が重なっている方も多いのですが、この傾向が、どんなことがうまくいきやすいかを左右します。
アルツハイマー型認知症にいちばん合うのは、どんなレクリエーションですか?
新しいことを覚えて頭にとどめておく必要があるものより、昔からよく慣れ親しんだ知識に頼るもののほうが、たいていうまくいきます。
- 長年なじんだ技能。 米国アルツハイマー病協会は、何年も前にピアノで覚えたかんたんな曲を、まだ弾けることがあると述べています。編み物、木のやすりがけ、トランプを切ること、パン生地をこねること、洗濯物たたみも同じです。
- 昔の歌となじみのある音楽。 十代、二十代のころの歌、信仰の歌、結婚式の歌なら、今も歌詞をすべて覚えている方が多くいます。音楽を使ったレクリエーションもご覧ください。
- 目的のある日々の家事。 NIAは、楽しめるかもしれない活動として、皿洗い、食卓の準備、靴下の仕分け、洗濯物たたみを挙げています。役に立っていると感じられることが大切です。
- 思い出すより、見て気づくこと。 同じ絵を指さすほうが、記憶から名前を言うより楽です。だからこそ、すべてが見えている絵のゲームのほうが、クイズよりうまくいくのです。
- 五感。 手ざわり、香り、温かさ、味、音は、言葉が難しくなったあとも長く意味をもち続けます。五感を使ったレクリエーションもご覧ください。
うまくいきにくいもの:時間を計るもの、新しいルールを覚えるもの、覚えておく手順が多いもの、そして「これが誰か覚えていますか?」のように記憶を試す質問です。こうしたものは、アルツハイマー型認知症のいちばん難しい部分を目の前に突きつけてしまいます。
初期のアルツハイマー型認知症の方とのレクリエーション
米国アルツハイマー病協会によると、初期には、なじみのある言葉やものの置き場所を忘れるといった記憶の抜けに気づきながらも、車の運転、仕事、社会的な活動を続けられることがあります。いちばん良いのはパートナーとして関わることです。何を続けたいか、どんな手助けがほしいかを尋ねましょう。
- 今の趣味を続ける。 ゴルフ、囲碁や将棋、キルトづくり、合唱、信仰や地域の集まりなど。少人数にする、静かな時間帯を選ぶといった小さな工夫を加えて。
- なじみのあるトランプやボードゲームをする。 米国アルツハイマー病財団は、初期に向けて、雑学クイズ、言葉さがし、トランプ、ボードゲームを挙げています。点数をつけるのが負担になってきたら、チームで遊ぶか、点数をやめてしまいましょう。
- いっしょに料理をする。 手順を読み上げるのはあなたが担当し、ご本人がよく知っているレシピを仕切ってもらいましょう。
- 人生の物語づくりを始める。 写真、レシピ、思い出話を、ご本人の指示でスクラップブックにまとめます。回想を使ったレクリエーションもご覧ください。
- お出かけする。 すいている時間の好きなレストラン、短い時間の美術館、公園の散歩など。
- ご本人が選んだパズルをする。 大きな文字のクロスワード、言葉さがし、ジグソーパズル。認知症の方のためのパズルもご覧ください。
ほかのアイデア:初期の方とのレクリエーション
中期のアルツハイマー型認知症の方とのレクリエーション
米国アルツハイマー病協会は、中期はふつういちばん長い段階で、何年も続くことがあるとしています。言葉が混ざりやすくなり、いら立ちやすくなり、より多くのケアが必要になります。米国アルツハイマー病財団は、レクリエーションを始めたり続けたりするのに手助けが必要な方が多いことも付け加えています。あなたの役割は、準備をし、説明するよりやって見せ、難しい部分を引き受けることへと移っていきます。
- たたむ、仕分ける、組み合わせる。 タオル、靴下、カトラリー、色ごとのボタン。本物の仕事を、隣に並んで。
- 音楽に合わせて歌い、体を動かす。 手をたたく、揺れる、台所で踊る。まずあなたが歌い始め、加わってもらいましょう。
- アルバムをめくる。 見えたものを言葉にして、思い出話を誘いましょう。「すてきな車ですね。聞かせてください。」ご本人がどんな名前で呼んでも、それに合わせます。
- かんたんな絵のゲームをする。 カード四〜六枚で絵を表向きにしたままの絵合わせや、選択肢二つか三つの同じ絵さがしなど。
- なじみのことわざの続きを言う。 「笑う門には……」。昔覚えたことわざは、すっと出てくることがよくあります。ことわざの続きなら、ワンタップでいつでも答えを表示できます。
- 植物に水をやり、世話をする。 室内の鉢植えや高さのある花壇で、小さなじょうろを使って。
- 家族の写真で絵合わせゲームをつくる。 写真合わせは、端末で選んだ写真を使い、写真が端末の外に出ることはありません。
ほかのアイデア:中期の方とのレクリエーション
後期のアルツハイマー型認知症の方とのレクリエーション
米国アルツハイマー病協会によると、後期には、言葉や短い言い回しを口にすることはあっても、周りの状況に反応したり会話を続けたりすることができなくなっていきます。この段階のレクリエーションは、安心とつながりのことです。ご本人が休んでいる場所へ、それを届けましょう。
- 好きな音楽を流す。 静かな音量で、テレビとかち合わないように。
- ハンドマッサージをする。 ご本人の好きな香りのローションで。
- 手に持てるやわらかいものを渡す。 温かいブランケット、フリース、すべすべした石など。
- 声に出して読む。 詩、信仰の言葉、なじみのある物語など。意味よりもリズムが大切です。
- 外に座る。 日陰で、または鳥が見える窓辺で。
- 大きな絵を一枚いっしょに眺める。 タブレットの画面いっぱいのひまわりや犬の絵を、見えたものを言葉にしながら。
ほかのアイデア:後期の方とのレクリエーション
アルツハイマー型認知症の方に合うゲームは?
失敗することのないゲームを選びましょう。このサイトのゲームはすべて無料で、ブラウザで動き、時間制限、点数、登録はありません。
| ゲーム | すること | 向いていることが多い段階 |
|---|---|---|
| 絵合わせ | 大きな絵を合わせる。絵は表向きのままにできる | 初期と中期 |
| 同じ絵さがし | 上の絵と同じ絵をタップする | 中期と後期(手助けがあれば) |
| ことわざの続き | なじみのことわざの最後の言葉を選ぶ、または表示する | 初期と中期 |
| 絵パズル | 4枚か9枚のピースを入れ替えて元に戻す。絵は表示されたまま | 初期と中期 |
| 会話カード | 絵と、答えが自由な問いかけでおしゃべりする | どの段階でも(話し相手がいれば) |
| 写真合わせ | ご自分の写真でつくる絵合わせゲーム | 初期と中期 |
| ぬりえ | 色をタップしてから絵の一部をタップする。印刷もできる | どの段階でも(手助けがあれば) |
いっしょにどう座るか、どのくらい手伝うか、いつやめるかについては、認知症のある方といっしょにゲームを楽しむコツをお読みください。「記憶ゲーム」が気になる方は、認知症のある高齢者向けの記憶ゲームをご覧ください。
どんなレクリエーションもやさしくするコツ
NIAのアドバイスは、いくつかの習慣にまとめられます。ご本人ができることにレクリエーションを合わせる、始めるのを手伝う、いら立ちのサインに気を配る、うまくいったと感じられるようにする、そして見ているのが楽しいならそうしてもらう、ということです。
- 調子のいちばん良い時間帯を選び、 短めに終えましょう。
- 先に道具をすべて並べておく。 すぐに始められるようにします。
- 指示するのではなく、誘う。 「レクリエーションの時間ですよ」より「ちょっと手伝ってもらえますか?」のほうがうまくいきます。
- 最初の手順はあなたがやり、 加わってもらいましょう。
- 一度に示す手順も選択肢も、ひとつだけに。
- ご本人のやり方に任せる。 タオルが不ぞろいにたたまれていても大丈夫です。
- まだ楽しいうちにやめる。 早めに終えるのは失敗ではなく、良い終わり方です。断られたときは、認知症のある方に断られたときをご覧ください。
米国アルツハイマー病協会の言葉はシンプルです。何かを達成することではなく、楽しむことに目を向けましょう。
よくある質問
アルツハイマー型認知症の方にはどんなレクリエーションが向いていますか?
なじみのあることを少しシンプルにしたものです。洗濯物たたみ、食卓の準備、いっしょに料理をすること、音楽や歌、写真を眺めること、散歩、庭仕事、ペットとの時間など。かんたんな絵のゲーム、やさしいジグソーパズル、会話カードが合う方も多くいます。ご本人がずっと好きだったことを選び、隣に並んでいっしょにやりましょう。
ゲームはアルツハイマー型認知症の方に良いのですか?
ご本人が楽しめるなら、ゲームはいっしょに過ごす楽しい時間になりえます。アルツハイマー病を治療したり、進行を遅らせたり、止めたりできると示されたゲームはないので、楽しむためにゲームを選びましょう。大きな絵、少ない選択肢、そして時間制限、点数、不正解の音がないものが向いています。
認知症のレクリエーションとアルツハイマー型認知症のレクリエーションに違いはありますか?
ほとんどありません。アルツハイマー病は認知症のもっとも多い原因で、同じレクリエーションのアイデアが当てはまります。アルツハイマー型認知症で役に立つのは、たいてい最近の記憶から薄れていくと知っておくことです。昔からの技能、歌、習慣を生かしたレクリエーションのほうが、うまくいくことが多いのです。
後期のアルツハイマー型認知症の方が、まだ楽しめることは?
好きな音楽、やさしいハンドマッサージ、手に持てるやわらかいもの、読み聞かせ、外で座って過ごすこと、そして信頼できる人がそばにいることです。短く、おだやかに。表情や体の様子を見て、何を心地よく感じているかを確かめましょう。
アルツハイマー型認知症の方に、レクリエーションに興味をもってもらうには?
「レクリエーションの時間です」と告げるのではなく、手伝いをお願いしましょう。先に道具をすべて並べておき、あなたが始めて、加わってもらいます。ご本人の調子がいちばん良い時間帯を選ぶと、大きく違います。断られたら、時間をおいてもう一度誘うか、もっと小さな形で勧めてみましょう。
出典
このページの根拠となる団体や研究へのリンクを掲載しています。いずれもページを更新した時点で確認しています。
- What Is Alzheimer's Disease? · National Institute on Aging
- What is Alzheimer's Disease? · Alzheimer's Association
- Stages of Alzheimer's · Alzheimer's Association
- Adapting Activities for People With Alzheimer's Disease · National Institute on Aging
- Activities · Alzheimer's Association
- Therapeutic Activities for 3 Main Stages of Alzheimer's disease · Alzheimer's Foundation of America